2014/04/20(日) 平成26年 第1回 大島能楽堂定期公演

2014-teiki-1ところ:喜多流大島能楽堂
開演:12:30
番組:能「竹生島」 松井 彬
   狂言「寝音曲」 茂山七五三
   能「田村」 大島政允

能「竹生島」(ちくぶしま)
弥生半ばのころ、天皇に仕える臣下が、竹生島明神参詣のため琵琶湖畔に来ます。釣舟で通りかかった漁翁と女に島まで乗せてもらいますが、女人禁制のはずの島に女も上陸したのを不審がります。すると、女は「ここに祭られる弁財天は女体なので、女人を隔てはしません」と教え、さらに「我は人間にあらず」と告げ、社殿の扉を開いて中に入ると、漁翁も「我はこの湖の主」と言って波間に消えます。
その夜、弁財天が光り輝く姿を現し、春の月のもと舞います。やがて龍神も出現して湖上を飛び巡り、金銀珠玉を授けます。弁財天が社殿に入ると、龍神も湖中に姿を消します。
前段で麗らかな湖の景色、後段で優美な天女と豪快な龍神の舞を見せる、華やかで親しみやすい曲です。

狂言「寝音曲」(ねおんぎょく)
主人に謡を謡ってみせるよう命じられた太郎冠者。今後たびたび謡わせられては面倒だと思い、「酒を飲み、妻の膝枕でないと謡えない」と嘘をつきます。すると主人は冠者に酒を飲ませ、自分の膝を枕に謡わせます。ときどき頭を持ち上げるので、冠者はそのたび声が出なくなるふりをしますが、繰り返すうち調子に乗って逆になり、ついには謡い踊り始めます。

能「田村」(たむら)
東国から都見物に来た僧が、清水寺で地主権現の桜に感嘆していると、玉帚で花蔭を清める童子に出会います。童子は清水寺の縁起を詳しく語り、坂上田村麻呂が建立したことを教えます。続いてあたりの名所を指し示し、僧と共に「春宵一刻値千金」の夜桜のもと、僧の前に武者姿の田村麻呂の霊が現れます。伊勢の鈴鹿山の悪鬼を退治せよとの勅命を受けて行軍した有様を語り、千手観音の霊験に助けられて鬼神を退治した武勲を再現してみせます。
修羅能ですが観音の霊験譚とも言える内容で、桜花爛漫の風情や大将軍の颯爽とした活躍が見所です。