2020/04/19(日) 令和2年 第1回 大島能楽堂定期公演

令和2年 第1回 大島能楽堂定期公演パンフ

第262回定期公演パンフレット

ところ:喜多流大島能楽堂
開演:12:30
番組:能「弱法師」 大島衣恵
狂言「土筆」 茂山あきら
能「綾鼓」 松井 彬 ツレ 松井俊介
ワキ方:有松遼一
囃子方:笛 森田保美
    小鼓 久田舜一郎
    大鼓 川村 大
    太鼓 小寺真佐人

 

能「弱法師」(よろぼし)
河内国高安の住人通俊は、讒言を信じて我が子俊徳丸を追放した事を悔い、天王寺で施行をします。
弱法師と呼ばれる盲目の乞食の少年が、施しを受けに来ます。思慮深い様子に感心した通俊が施しを渡すと、弱法師の袖に、偶然梅の花びらが舞い込みます。少年は喜び、天王寺の縁起を語ります。通俊は、彼こそ息子だと気づき、人目を避けて夜に名乗り出ようと、日想観(入日を拝み西方浄土を願う事)を勧めます。
弱法師は、視力を失う前に見た難波江の光景を、ありありと心の内に見ます。感極まってさ迷ううち、人にぶつかって転び、笑われて、現実に引き戻されます。通俊は父だと明かし、手を引いて故郷に連れ帰るのでした。
巧みな構成で人の心を描き出す名曲で、シテの、杖を効果的に使った動きも見所です。

 

狂言「土筆」(つくづくし)
男が友人と春の野辺に遊びに行き、土筆を見て「土筆の首しをれてぐんなり」と歌を詠みます。友人に馬鹿にされ、古歌にも「風さわぐんなり」という例があると反論しますが「さわぐなり」の間違いだと笑われます。次に芍薬の花を見て友人が古歌を引くと、男が間違いを笑い、嘲笑し合った末、怒った男は相撲を挑みます。

 

能「綾鼓」(あやのつづみ)
賤しい庭掃きの老人が、女御の姿を見かけて恋に落ちます。女御はあきらめさせようと「庭木に掛けた鼓を鳴らせば姿を見せる」と伝えます。老人は必死で鼓を打ち続けますが、実は鼓は綾布で張られており、音は出ません。それを知った老人は、あまりの屈辱に「思い知らせよう」と言い残して池に身を投げます。
経緯を聞いて池の辺に出た女御は、にわかに正気を失います。老人の怨霊が現れて「鼓を打ってみろ」と女御を責めて打ち据え、相手が倒れると、恨みの言葉を放って水底に消えます。
この曲は、他流に伝わる「綾鼓」を、喜多流で詞章・演出等に創意を加えて改作したものです。老人の恋情と怨念を生々しく描写し、失恋を題材とした能の中でも異色の作品です。