2017/04/30(日) 平成29年 第1回 大島能楽堂定期公演

平成29年 第1回 大島能楽堂定期公演番組平成29年 第1回 大島能楽堂定期公演パンフ表紙ところ:喜多流大島能楽堂
開演:12:30
番組:能 「翁」 大島輝久
   狂言「佐渡狐」 野村萬斎
   能 「月宮殿」 大島政允
ワキ方:福王知登
囃子方:笛 森田保美
    小鼓 飯田清一、成田達志、古田寛二郎
    大鼓 亀井広忠
    太鼓 前川光範
※ 250回記念能に付き全席指定席といたします。 → 座席表はこちら


能「翁」(おきな)
「翁は能にして能にあらず」といわれ、能の中でも別格の神聖な曲とされ、演者は精進潔斎をして臨みます。舞台上で面をつけ、小鼓が三挺になるなど、常の能とは大きく異なります。平安時代後期にはすでに原型があったようで、現在でも古い神事芸能としての面影を残しています。
「翁」には物語としての筋は特に無く、特殊な構成で演じられます。
翁の面を入れた箱を先頭に演者が舞台に出、位置につきます。颯爽とした千歳の舞が始まり、その間に翁役は舞台上で面をつけます。翁はおごそかに舞い、天下泰平や五穀豊穣を祈ると、面をはずして退場します。続いて三番叟が、直面で〈揉之段〉、黒い翁面を付け鈴を振って〈鈴之段〉と、生命力に満ちた躍動的な舞を舞います。

狂言「佐渡狐」(さどぎつね)
越後の百姓と佐渡の百姓が、年貢を納めに行く道中で道連れになり、あれこれと話すうち、「佐渡に狐がいるかどうか」で論争になります。
互いの刀を掛け、年貢を取り次ぐ役人に判定を頼みます。佐渡の百姓は、役人に賄賂を渡して「狐はいる」と判定してもらいます。納得いかない越後の百姓から狐の姿形を聞かれ、役人の身振りを見て、どうにか答えますが。

能「月宮殿」(げっきゅうでん)
中国の皇帝が月宮殿に行幸し、おごそかに新春の儀式を催します。金銀珠玉で飾ったきらびやかな宮殿で群臣の拝賀を受け、続いて鶴と亀が、嘉例の舞を舞って皇帝の長寿を祝います。それに興じた皇帝も祝賀の舞を舞うと、輿に乗って長生殿へと帰っていきます。
古代の宮廷儀式を能に仕立てたもので、物語性のあまり無い短い作品です。子方による鶴亀の相舞、威風堂々たる皇帝の舞と見どころが多く、仙境にいるような華やかさがあり、理屈抜きで楽しめるおめでたい曲です。