ところ:喜多流大島能楽堂
開演:12:30
番組:能「経政」 大島伊織
狂言「鎌腹」 茂山千五郎
能「道成寺」 大島衣恵
鑑賞料:正面指定席 12,000円 中正指定席 10,000円
脇正指定席 10,000円 2階自由席 6,000円
挨拶
故大島久見の十三回忌能を催す運びとなりました。ご出勤下さる三役の皆さま方、友枝昭世師をはじめ流儀の皆様、また関係各位のご尽力に厚く御礼申し上げます。
此の会では衣恵に道成寺を、孫の伊織に経政を初能として勤めさせます。ご来場の皆様には、至らぬながら道を志す者達の今後のためご高覧賜り、忌憚なきご批評賜りますよう、衷心よりお願い申し上げます。
大島政允
能「経政」
平経政は琵琶の名手で、幼少の頃より仁和寺御室御所の法親王の寵愛を受け、青山という銘器を賜るほどであった。しかし一ノ谷の源平の戦で討ち死に、若い命を散らす。法親王はその死を悼み、僧都行慶に命じて経政が愛した青山を手向け、管弦講の法事を営む。琵琶の音に引かれるように経政の霊が現れ、花鳥風月を愛でた昔を懐かしみながら琵琶を奏で、夜遊の舞楽に興じる。一転、修羅道の苦しみが襲いかかると経政は我が身を恥じ、灯火を吹き消して暗闇へと姿を消すのだった。
能「道成寺」
紀州道成寺で鐘再興の法事が催される。訳あって女人禁制の場に白拍子の女が入り込み、鐘の供養のためと舞を舞いはじめる。人々が夢現になった隙に女人が鐘に飛び入り、鐘は煮えたぎって落ちてします。住僧は鐘にまつわる恐ろしい女人の執心の物語を語ると、鐘に向って祈祷する。鐘から女人の執心が蛇体となって現れ、住僧達と格闘するが遂に祈り伏せられ、日高川の波に飛び入って消えてゆく。
能楽師の登竜門と言われ各役に習い事の多い演目、特にシテと小鼓の一騎打ちのような乱拍子は独特の緊張感がある。この曲のためだけに準備される釣り鐘の作り物、それを引く鐘後見など他の曲にない演出で見どころの多い曲である。