2016/06/19(日) 平成28年 第2回 大島能楽堂定期公演

2016/06/19(日) 平成28年第2回 大島能楽堂定期公演番組2016/06/19(日) 平成28年 第2回 大島能楽堂定期公演チラシところ:喜多流大島能楽堂
開演:12:30
番組:能「西行桜」 金子匡一
   狂言「鬼の継子」 茂山千三郎
   能「小鍛冶」(白頭) 大島衣恵

能「西行桜」(さいぎょうざくら)
西山にある庵で西行が一人静かに桜を愛でていると大努の人が花見に筋れます。西行は断り切れずに招き入れますが、俗世の人々に静けさを破られたのが少し心外で「花見にと群れつつ人の来るのみぞあたら桜の科にはありける」と和歌を詠みます。
花見が続くうちに日が暮れて、花の下で夜を明かします。すると、夢に白髪の老人が現れ、先ほどの和歌を詠じて「俗世と感じるのは人の心で、無心の草木に罪科はありません」と伝え、老木の桜の精だと明かします。西行と会えたことを喜び様々な名所を挙げて桜の美しさを讃えると、春の夜が明けるのを惜しんで舞い、落花だけを残して消えるのでした。
閑寂かつ華麗、余情豊かな名曲です。

狂言「鬼の継子」(おにのままこ)
幼子を抱いた若い母親が、親里ヘ旅をします。人気のない寂しい野原で日が暮れ、突然鬼に襲われます。母親が子を助けるよう頼むと、鬼は、許す代わりに妻になれと迫ります。母親は仕方なく承知し、支度する間の子守を頼みます。
鬼はだんだん子がかわいくなり、肩車をして謡いあやしますが、あまりにおいしそうなので、我慢できなくなってきて…。

能「小鍛冶白頭(こかじ はくとう)
三条の小鍛冶宗近という名工に、帝から「霊夢のお告げに基づき、剣を打て」と宣旨が下ります。宗近は、そのような重大な剣を共に打てる技量の相手が無いことに悩み、氏神の稲荷に祈念しに行きます。すると不思議な童子が現れ、草薙の剣などの刀剣の威徳を語り、助力を約束して稲荷山に消えます。
宗近が鍛冶の壇を清めて待ち受けると、稲荷明神の使いの白狐が現れます。共に剣を鍛えて「小鍛冶宗近」「小狐」とそれぞれの銘を刻むと、白狐は世を祝して勅使に剣を捧げ、飛び去ります。
テンポ良く爽やかで、壇上で刀を打つ場面など見せ場の多い人気曲です。この度は「白頭」の小書き(特殊演出)により、「狐足」という狐の動きを模したような特殊な足使い
をするのも見所です。