2014/11/16(日) 平成26年 第4回 大島能楽堂定期公演

2014-teiki-4ところ:喜多流大島能楽堂
開演:12:30
番組:お話 金子直樹 
   狂言「太刀奪」 茂山正邦
   能「三井寺」 大島政允

狂言「太刀奪」(たちばい)
北野神社に参詣に向かう主人と太郎冠者。道中、見事な太刀を持った男を見つけます。冠者は、太刀を持っていない主人のために奪い取ろうとしますが、反対に脅されて、主人の腰刀を取られてしまいます。
主人は刀を取り戻そうと、帰り道で男を待ち伏せ羽交い絞めにし、縄で縛るように命じると、冠者は悠々と縄を作り始めます。

能「三井寺」(みいでら)
子供を人買いにさらわれた駿河国の母親が、行方を求めて清水寺に参籠し「近江国三井寺へ行け」との霊夢を受けます。
中秋の名月の夜、三井寺では、僧達が稚児を連れて月見をしています。座興を望まれた寺男は、ちょうど門前で衆目を集めていた物狂いの女を招き入れます。
女は、子を求めて旅してきたあの母親でした。寺男が鐘を撞くと、女も撞こうとして制止されますが、月の詩にまつわる故事を引いて鐘を撞き、その響きに心を澄まし、我が子を慕います。すると、稚児が自分の母親だと気づいて名乗り出て、再会を果たした親子は、共に故郷へと帰るのでした。
鐘にまつわる詩歌を織り交ぜた流麗な謡や、作り物の鐘を撞く〈鐘の段〉など、謡・舞共に優れた狂女物の代表作です。