ところ:岡山後楽園能舞台
開演:18:30
観賞料:6,000円
番組:狂言「文蔵」 茂山千五郎
狂言「棒縛」 茂山逸平
能「葵上」シテ 大島衣恵 ワキ 坂苗融
大鼓 守家由訓 太鼓 梶谷義男
小鼓 高橋奈王子 笛 八木原周平 他
狂言「文蔵」(ぶんぞう)
主人は無断で京都見物へ行った太郎冠者を叱りに行きますが、京都見物の際に伯父の所へ立ち寄ったというので許します。いつも伯父は来客に珍しい物をご馳走しています。今回は何をご馳走になったのか主人が聞くと、太郎冠者は主人が常に読んでいる石橋山の合戦物語の中に出てくるものをご馳走になったと言います。そこで主人は物語を語り始めますが…。
主人の語る源平盛衰記の石橋山の合戦とは、源頼朝が平家に対して挙兵した一番最初の戦です。
狂言「棒縛」(ぼうしばり)
いつも主人の留守中に、こっそり家の酒を盗んで飲む家来の太郎冠者と次郎冠者。用事で一人出かけることになった主人は、酒を飲まれないように二人をだまして縛ってから出かけます。しかし残された二人は縛られたままでも工夫し、お互いに酒を飲ませ合い、酒盛りを始めてしまいます。そこへ主人が戻ってきて…。
縛られた二人が不自由なりにもなんとか工夫して酒を飲む姿はおかしく、不自由な身のまま舞うのは演者にとっても至難の技でみどころです。
能「葵上」(あおいのうえ)
シテの六条ノ御息所は元皇太子妃。光源氏の愛を失い、嫉妬に狂い怨霊となって病に伏す正妻の葵上に襲いかかりますが、行者の法力に祈り伏せられます。高貴な女性の恋と妬み、激しい情念を描いた作品。
舞台正先に置かれた小袖は、葵上が病に伏していることを象徴しています。これを〈出小袖〉(だしこそで)といい、能の優れた演出法の一つです。