2012/11/18(日) 平成24年 第4回 大島能楽堂定期公演

2012/11/18(日) 平成24年第4回 大島能楽堂定期公演番組ところ:喜多流大島能楽堂
開演:12:30
番組:舞囃子「三輪」 大島衣恵
   狂言「仏師」 茂山逸平
   能「遊行柳」 大島政允

能「三輪」
舞囃子とは、 一曲の見所の部分を面・装束を付けず囃子と謡によって舞う上演形式です。
大和国三輪山の玄賓僧都の庵へ、毎日参拝に来る女がいます。女は僧都に秋の夜寒をしのぐ衣を乞い、住処を尋ねられると「わが庵は三輪の山本恋しくは訪い来ませ杉立てる門」と古歌を引いてかき消えます。
三輪明神の社で、僧都は神杉に掛かった衣と、その裾に書かれた歌を見つけます。やがて巫女姿の三輸明神が現れ、三輸の神婚説話を語り、天岩戸の神楽を再現しますが、夜明けと共に僧都の夢も覚めるのでした。
神々しさと恋物語の情趣を併せ持つ、気品のある曲です。

狂言「仏師」
自宅に持仏堂を建立した田舎者が、仏像を買おうと都に行きますが、なかなか仏師を見つけられません。そこにすっぱ(詐欺師)が近づき、自分が仏師だと嘘をついて、仏像を作るので翌日取りに来るよう言います。
受け取りに行くと、確かに仏像がありますが、実はすっぱが化けたもので、印相が遣います。何度も手直しを頼まれて、すっぽは仏像に仏師にと、早替りして切り抜けようとしますが。

能「遊行柳」
一遍上人の教えを広める遊行の僧が、秋のタ事れ、白河の関を越えた辺りで分かれ道に差し掛かります。広い道を行こうとして老人に呼び止められ、一遍も通った古い街道を選ぶよう勧められます。老人は、僧を柳の老木の立つ古塚まで案内します。その柳は、かつて西行が「道の辺に清水流るる柳陰しばしとてこそ立ち止まりつれ」と詠んだ名木でした。老人は念仏を授けられると姿を消します。
その夜、木陰で念仏を唱える僧の前に、老体の柳の精が現れます。仏の救いを得たことを喜ぴ、柳にまつわる様々な故事を語って報謝の舞を見せます。夜が明けると、跡には朽木の柳ばかりが残るのでした。
閑雅で寂びた雰囲気の漂う、味わい深い能です。