2012/09/16(日) 平成24年 第3回 大島能楽堂定期公演

2012/09/16(日) 平成24年第3回 大島能楽堂定期公演番組表ところ:喜多流大島能楽堂
開演:12:30
番組:能「土車」 金子匡一
□□□狂言 「伯母ヶ酒」 茂山千三郎
□□□能「羽衣」 大島輝久

能「土車」
深草少将は、妻を亡くしたことで世を儚み、幼い息子を残して出家します。かねてから望んでいた信濃の善光寺参りに旅立つと、息子と養育係の小次郎も、父を探しに善光寺に向かいます。
小次郎は、土車に子を乗せて引き、遊芸を見せて物乞いをしながら旅をします。善光寺に着き、当地の阿弥陀仏の慈悲を讃えて父との再会を願い、様々な歌舞を演じます。
少将は二人に気づきますが、名乗り出ません。絶望した二人は、近くの川に身を投げて死ぬことを決意し、通夜をして菩提を祈ると、川に向かいます。少将は堪らず後を追いかけ、親子は再会を果たすのでした。
子の哀れ、遊芸、通夜の静寂から一転しての再会と、変化に富む構成の特異な作品です。

狂言「伯母ヶ酒」
酒屋を営むけちな伯母のところへ、甥が訪ねていきます。なんとか理由をつけて酒を飲ませてもらおうとしますが、上手くいきません。甥は、「この辺りには鬼が出る」と伯母を脅し、帰ったと見せかけて、鬼の面を付けて戻ってきます。
本物の鬼と信じて怯える伯母に、今後は甥に酒をふるまうよう命じ、酒蔵に入って酒を飲むうち、酔って大胆になっていき…
はごろも

能「羽衣」
駿河国三保の松原に住む漁師の白龍が、ある春の朝、漁をしようと浜辺に行き、松の枝に掛かった美しい衣を見つけます。持ち帰ろうとすると、女性が現れて引き止め、「わたしは天人で、その衣がないと天に帰れません」と嘆きます。最初は衣を返すのを断る自龍ですが、天人の悲しむ姿を見て同情し、衣を返すことにします。そして、代わりに天上界の舞楽を見せてくれるよう頼みます。羽衣を着けると、天人は地上に祝福を与えて優美に舞いながら、天高く上っていきます。
世界各地に伝わる羽衣伝説が原拠ですが、伝説と違って天女は男の妻にはならず、より清純で気高い存在として描かれています。晴れやかで親しみゃすい、能を代表する名曲です。