2011/04/17(日) 平成23年 第1回 大島能楽堂定期公演

ところ:喜多流大島能楽堂2010/04/17(日) 平成23年第1回 大島能楽堂定期公演番組
開演:12:30
番組:能「月宮殿」 金子匡一
    狂言「附子」 茂山あきら
    能「千寿」 大島衣恵

能「月宮殿」
中国の皇帝が月宮殿に行幸し、おごそかに新春の儀式を催します。金銀珠玉で飾ったきらびやかな宮殿で群臣の拝賀を受けると、続いて鶴と亀が嘉例の舞を舞い、皇帝の長寿を祝います。それに興じて皇帝も祝賀の舞を舞います。
古代の宮廷儀式を能に仕立てた曲で、子方による鶴亀の相舞、威風堂々たる皇帝の舞と見どころが多く、理屈抜きで楽しめる祝言曲です。

狂言「附子」
太郎冠者と次郎冠者は、外出する主人から猛毒の「附子」を預かります。最初は怖がる二人でしたが、好奇心につられて近寄り、なめてみると、その正体は砂糖でした。主人が嘘をついたのを知った二人は、砂糖を残らず食べてしまった上、秘蔵の掛け軸と天目茶碗も壊し、帰ってきた主人に思いがけない言い訳をします。

能「千寿」
平清盛の五男重衡は、一の谷の合戦に破れて捕らえられ、鎌倉の狩野介宗茂の館に預けられます。その心を慰めるため、頼朝は侍女千寿の前を遣わします。雨の夜、宗茂がつれづれを慰めるために酒を持参すると、千寿も琵琶と琴を持って参上します。
自身の命運を思い鬱々とする貴公子に深く同情し、千寿は朗詠や舞で慰めます。重衡も心を通わせ、千寿の琴に合わせて琵琶を奏で、夜明けまで酒宴を楽しみますが、翌朝、重衡は勅命により都に送られることになります。護送される重衡を、千寿は涙ながらに見送るのでした。
悲運の貴公子に向けた白拍子の純粋な愛情と別れを描き、艶めいて哀れな、情趣の深い作品です。