2010/04/08(日) 平成22年 第1回 大島能楽堂定期公演

2010/04/08(日) 平成22年 第1回 大島能楽堂定期公演番組日時:4月18日(日) 12:30始
番組:能「小袖曽我」 大島輝久
   狂言「鼻取相撲」 野村小三郎
   能「小塩」 金子匡一


能 「小袖曽我」
曽我十郎・五郎兄弟は、父の敵である工藤祐経を討つべく、将軍源頼朝の催す富士の裾野の夏狩に参加して隙をねらう計画を立てます。
それに先立ち、二人は母のもとにそれとなく暇乞いに向かいます。
兄の十郎は歓迎されますが、弟の五郎は冷たく締め出されます。「出家せよ」との母の命に従わなかったため、勘当されているのです。
十郎は、弟が父母への孝行を欠かさずにいることや、自分にとって唯一の味方であることを語って懸命に母を説得します。母もついに兄弟の覚悟に気づき、五郎を招き寄せて勘当を解きます。
門出を祝う酒宴を開き、兄弟共に舞を舞うと、勇んで狩場へと向かうのでした。
人情味豊かな筋立てと、悲壮かつ颯爽とした相舞が見どころの人気曲です。

狂言「鼻取相撲」
大名は新しい召使を抱えようと思い立ち、太郎冠者を上下の街道に遣わします。
すると、そこへ武道・料理・遊戯・賭け事に堪能で相撲が得意だという奉公志願の坂東方(関東方面)の男が通りかかるので、早速雇って連れて帰るのですが…。

能「小塩」
下京辺りの男が、花見の人々でにぎわう大原に出かけ、桜の枝を持った風流な老人と親しくなります。
老人は「大原や 小塩の山も今日こそは 昔のことも思ひ出づらめ」と和歌を口ずさみます。それは、在原業平が、かつての恋人二条の妃とこの地で再会したとき詠んだ歌でした。
花の宴に興じるうち、老人は夕霞にまぎれて姿を消します。実は、老人は死後歌舞の菩薩となった業平の化身でした。
その夜、花見車に乗った業平の霊が現れます。昔の恋を懐かしみ、月明かりに散り乱れる花のもと舞いますが、やがて姿を消し、曙に浮かぶ花だけが残されます。
『伊勢物語』の世界を巧みに表現した、非常に典雅艶麗な名曲です。