大島家の人びと
大島 政允(おおしま まさのぶ)
能楽シテ方喜多流職分。日本能楽会会員。国総合認定重要無形文化財。
1942(昭和17)年広島生まれ。能大島家4代目。福山市在住。
1958(昭和33)年、喜多宗家に入門、十五世喜多実師に師事。
「道成寺」「安宅」「石橋」「望月」等、大曲を披く。
国内での演能活動はもとよりベルギー、オランダ、ポーランド、ブルガリア、バルト三国、オーストラリア、ベトナム等の海外公演にも参加し、国の内外で活躍している。
喜多流能の会 代表、福山喜多会・広島大島会を主宰 。
全国でもめずらしい個人所有の喜多流大島能楽堂を拠点として年4回の定期能を解説付きで開催し、地元での能楽普及啓蒙活動に勤める傍ら、広島・岡山・四国・山陰のみならず東京国立能楽堂での公演、東京喜多能楽堂での職分会自主公演など全国各地での演能・薪能等に出演し活発な能楽普及活動を行なっている。
2000(平成13)年、台湾国立芸術学院の客員教授として招聘され、大学で能楽の1ヶ月間の集中講座を行ない、2日間薪能公演を行なう。
新作能「鞆のむろの木」(帆足正規氏作、大島政允 節・型付)を2002年6月15日
国立能楽堂にて初演し、好評を博す。
2003(平成15)年、ベトナム公演の団長を勤める。
2008(平成20)年11月30日、「卒都婆小町」を披く。
2009(平成21)年5月、大島能楽堂北欧能楽公演(フィンランド・スウェーデン)を、国際交流基金主催行事の団長として行う。
2009(平成21)年12月、「清経」・「PAGODA」ヨーロッパ公演を3カ国4カ所(ロンドン・ダブリン・オックスフォード・パリ)で行い、好評を博す。
2009(平成21)年度、広島県教育賞を受賞。
2010(平成22)年2月、広島教育賞を受賞。
2012(平成24)年11月、広島県地域文化賞を受賞。
2013(平成25)年11月、中国文化賞を受賞。
2013(平成25)年12月、観世寿夫記念法政大学催花賞を受賞。
2014(平成26)年11月、
文化庁より平成26年度地域文化功労者として表彰される。
2016(平成28)年1月、山陽新聞奨励賞を受賞。
大島 輝久(おおしま てるひさ)
能楽シテ方喜多流職分。(社)能楽協会会員
1976(昭和51)年1 月17 日、福山生まれ。能大島家5 代目。東京都在住。
福山市立南小学校、城南中学校、岡山山陽高等学校を卒業。国学院大学文学部国文学科中退。
3才、「猩々」で初舞台。
祖父久見、父政允、塩津哲生(共にシテ方喜多流職分 国総合認定重要無形文化財)に師事 し、数多くの子方を勤める。
1989(平成元)年、大島家三代能にて、シテ「箙」を勤める。
1994(平成6)年、喜多流内弟子入門。塩津哲生師に師事。
1999(平成11)年、ポーランド、リトアニア公演参加。
2000(平成12)年、2001 年、台湾公演参加。
2002(平成14)年、オランダ・ベルギー公演参加。
2003(平成15)年、ベトナム公演に参加。
2003(平成15)年9 月、「猩々乱」を披く。
2009(平成21)年、日フィンランド修好 90 周年記念北欧能楽公演に参加。
2009(平成21)年、「清経」「PAGODA」ヨーロッパツアー公演に参加、「PAGODA」の シテツレを勤める。
2010(平成22)年より喜多流職分会に参画。
2010(平成22)年10 月、「道成寺」を披く。
2011(平成23)年、「清経」「PAGODA」アジアツアー公演に参加、「PAGODA」のシテ ツレを勤める。
2012(平成24)年1 月、佐々木多門師、友枝真也師と三人で「燦ノ会」を立ち上げる。
2014(平成26)年、国総合認定重要無形文化財となる。
2016(平成28)年7 月、新作能「福山」制作に参画し、シテツレ(朱雀)で出演。
2017(平成29)年4 月、第250 回記念能 大島能楽堂定期公演にて「翁」を務める。
2018(平成30)年1 月、NOH Climax(企画・監修 杉本博司)に出演。
4 月、小田原文化財団 江之浦測候所にて『石橋 於 石橋』シテツレを務 める。
2019(平成31)年5 月、Noh Society 主催〝THE BLOSSOMING SPIRITS”に出演。
2020 年1~2 月、Takasago&Between the Stones のヨーロッパツアー公演に地謡で参加。
2021年8月1日(2020年実施予定をコロナ禍のために延期)第1回大島輝久の會にて、能「望月」を披く。
近年は手話能やVR 能・3D 能といった画期的な公演への出演及び企画制作を担当するなど、能の新たな可能性を探る活動も積極的に行っている。
大島 衣恵(おおしま きぬえ)
能楽シテ方 喜多流 (社)能楽協会会員
1974(昭和49)年、東京に生まれ、2歳の時に福山へ転居。福山市在住。
福山市立南小学校、城南中学校、広島県立明王台高等学校卒業。
1997(平成9)年、東京芸術大学音楽学部邦楽科卒業。
エリザベート音楽大学、岡山山陽高等学校、岡山三勲小学校、府中市立国府小学校の能楽非常勤講師。
一般社団法人Theatre Nohgaku能楽講師。
Le Théâtre du Soleil能楽講師。
2才、「鞍馬天狗」の稚児で初舞台。
祖父久見、父政允(共にシテ方喜多流職分 国総合認定重要無形文化財)に師事。
1998(平成10)年より、喜多流では初の女性能楽師として大島能楽堂定期公演を中心に舞台活動を行う。
2000(平成12)年、台湾国立芸術学院の客員教授として招聘された父政允の助手として、学生に能の指導を行ない、薪能にて能「羽衣」のシテを勤める。
2002(平成14)年には、オランダ・ベルギーをはじめとして、フランス、ブルガリア、バルト三国などの欧州公演に参加。
2006年、2009年、アメリカ ブルズバーグでの能トレーニングプロジェクトの講師を勤める。
2008(平成20)年、ハワイ大学能講師を勤める。
2009(平成21)年、北欧能楽公演に参加。
2009(平成21)年、「清経」・「PAGODA」ヨーロッパ公演に参加、「PAGODA」のシテを勤める。
2011(平成23)年、「高砂」・「PAGODA」アジア公演に参加、英語能「PAGODA」のシテを勤める。
2012(平成24)年、第10回 緑桜会 こころみの会にて、能「蝉丸」のシテを勤める。(会場:梅若能楽学院会館 地謡:観世流女性 地頭:鵜沢久 蝉丸:鵜沢光)
2019(平成31)年、Noh Society 主催の THE BLOSSMING SPIRITSに参加。
2020(平成32)年、「Takasago & Between the Stones」ヨーロッパ公演に参加、「Between the Stones」のシテを勤める。
【受賞歴】
2005(平成17)年度、けんしん育英文化振興財団の「県民文化奨励賞」受賞。
2007(平成19)年、「広島県教育奨励賞」受賞。
2010(平成22)年、財団法人広島国際文化財団より国際交流奨励賞を受賞。
2018(平成30)年度、ひろしま文化振興財団より広島文化賞を受賞。
大島 文恵(おおしま ふみえ)
1977(昭和52)年、福山市生まれ。
福山市立南小学校、城南中学校、広島県立葦陽高等学校卒業。
2000(平成12)年、武蔵野女子大学国文学科卒業。
祖父久見、父政允(共にシテ方喜多流職分 国総合認定重要無形文化財)に師事。
3才で初舞台。大学時代、能研究クラブで活躍。
現在、学校での能授業や体験学習に積極的に取り組み、能の普及と啓発に努めている。
2008(平成20)年11月、結婚。(本名 園尾文恵)
大島 紀恵(おおしま のりえ)
1980(昭和55)年、福山生まれ。
福山市立南小学校、城南中学校、広島県立葦陽高等学校卒業。
東京芸術大学音楽部邦楽科(太鼓専攻)卒業。皇居内桃華楽堂での音楽大学卒業演奏会出演。
祖父久見、父政允(共にシテ方喜多流職分 国総合認定重要無形文化財)に師事。
4才で仕舞「猩々」で初舞台。太鼓を観世元信師、小寺佐七師、観世元伯師に師事。
2002(平成14)年10月のブルガリア文化交流能公演に参加。
現在、姉とともに能授業や体験学習に取り組んでいる。
2006(平成18)年5月、結婚。(本名 荒木紀恵)
大島 泰子(おおしま やすこ)
1945(昭和20)年、福山生まれ。広島大学附属福山中学校・高等学校卒業。慶応義塾大学文学部図書館学科卒業後、学習研究社児童図書編集部に嘱託社員として入社。3年半後退社し、喜多流能楽師(大島政允)と結婚。
喜多流大島能楽堂事務局。衣恵、輝久、文恵、紀恵の母。
1998(平成10)年、音楽で綴るふくやま千年の歴史絵巻「瀬戸内の夜明け組曲」構成・演出。
創作邦楽劇「草戸千軒絵巻」制作プロデュース。
CD「瀬戸内の夜明け組曲」企画プロデュース。
「能おおしま草紙」編集、喜多流大島能楽カレンダー・リーフレット制作。
新作能「鞆のむろの木」初演プロデュース。
ボランティア活動にも積極的に取り組み、阪神大震災時には「チャリティー能」を企画・構成・開催。
能を中心とした幅広い伝統芸能を、若い世代や子ども達に親しみやすい企画で展開し、普及・発展に取り組んでいる。
2000(平成12)年12月、福山文化賞を受賞。
2016(平成28)年、福山市市制100周年記念事業 新作能「福山」企画プロデュ−ス
一方で、和井輪藺(わい りんい)のペンネームで作詞。代表作は「母と妹に捧げる鎮魂の歌 ハルピンの空にとどけ」(1998年12月 作曲は久留智之、楽譜発行はマザーアース)
大島 鈴子(おおしま すずこ)
学習院大学文学部英米文学科卒業。
学生時代、ラグビー部のマネジャーを務める。
2004(平成16)年 4 月、大島輝久と結婚。(旧姓 野口)
薫子、伊織の母。
(有)樫木端(喜多流大島能楽堂)東京会計を担当。
大島 薫子(おおしま かおるこ)
2006 (平成18)年、大島輝久・鈴子の長女として東京に生まれる。
以降、両親と弟と共に年 6 回ほど帰福し、能にふれる。
2011 年 1 月、素謡「草紙洗小町」4 才で初舞台。
(新年初謡会、喜多流大島能楽堂にて)
以来、子方など舞台を務めた。
2013 年 4 月、渋谷区立幡代小学校入学。
2017 年 4 月 30 日、能「月宮殿」子方(鶴)で子方を卒業。
2019 年 3 月、渋谷区立幡代小学校卒業。
4 月、東京女学館中学校入学。
2021(令和3) 年 1 月 3 日、鞆の浦 新春能楽祭(於・沼名前神社能舞台)
素謡「翁」翁 大島衣恵 の千歳を務める。
2021 年 3 月 28 日、「宗吉史跡能」(三豊市)
能舞「猩々」シテ 大島伊織 地頭 大島衣恵の元で 地謡を務める。
大島 伊織(おおしま いおり)
2008 (平成20)年、大島輝久・鈴子の長男として東京に生まれる。
毎年、両親と二つ上の姉と共に年7回以上、福山と東京を往復する。
2012年 5 月、3才仕舞「老松」で初舞台。(喜多流春の会、喜多流大島能楽堂にて)
以来、子方・舞囃子・能など通算100回(海外公演も含む)ほど舞台を務めた。
2021(令和3)年 5 月16日、喜多流春の会にて能「花月」のシテを初面にて務める。能面「喝食(かっしき)銘 イオリ」岩崎久人 作
2歳の時に父に連れられ、能面作家・岩崎久人氏の作品展に行ったご縁で、「イオリ」の銘の付いた面を頂戴した。
2021 年 3 月、渋谷区立幡代小学校卒業。
4 月、渋谷区立代々木中学校入学。