皆さん、ゴールデンウィークいかが過ごされていますか?
私は先日、ふくやま美術館で開催中の「魯山人展」に行ってきました。中国新聞の特集で、お気に入りの一品を選ぶコーナーの取材でもあったので、これぞ!という作品を求めてじっくりと見させて頂きました。
それにしても大変な才能の人だったんだなあ、と改めて驚かされる作品の数々です。自ら動き創作する、非凡のアートディレクターだったのですね。美意識の高さと抜群のセンス、そして創作における信念の強さ。それと同時に、見る人を楽しい気持ちにさせる温かみが伝わってきます。作品の器を「料理の着物」と言った魯山人。大好きな料理を美味しくするための器を、何よりも楽しんで作っていたのでしょうね。
色々と面白い作品がありましたが、中でも「銀彩丸皿」に心を惹かれて一品に選びました。渋く抑えた輝きの銀に、かわいい彩を添えるグリーンの模様が映える美しい器です。学芸員さんのお話では、実は失敗作と思われる陶器に新たに彩色を施して甦らせたものだとか。物を大切にするという、作者の意志が生み出した作品なのだそうです。
魯山人の言葉に「持ち味を生かせ」とあります。シンプルでまっすぐ心に響いてくる言葉だと思いませんか?色々な工夫を凝らすことは大切だけど、最後は各々の持ち味を生かさなかったら、その工夫も台無しになってしまいます。人間にも同じことが言えると思うのです。素晴らしい先輩に憧れて、その人のようになりたいと努力することは大切ですが、自分の持ち味を見極めてそれを活かすことが、より重要な視点なのかも知れません。まちづくりの活動においても同じこと。このまちの持ち味を生かす、そんな活動を続けていきたいですね。
文化ゾーンでは他にも興味深い展覧会が行われています。風薫る五月、文化の薫りを楽しんでみてはいかがでしょうか?