遂に最終回を迎えました。皆様には一年間この拙文にお付き合いを頂き、心から御礼を申し上げます。そして、毎回締め切り当日ギリギリの入稿を辛抱強く待ってくれた、宮本委員長はじめ情報発信委員会の皆さん、本当にありがとう!
このメルマガを通じて皆さんに「何かを伝えよう」とする場を頂いたことは、私にとって一年間の大きな宝物になりました。今までなら見過ごしていたような日常の事にも心を留めるようになりましたし、仕事やJC活動を通じて感じたこと、学んだことを都度に顧みる目を持つことも出来ました。
それと同時に、「伝えようとする」姿勢だけでなく確実に「伝わる」言葉を、もっと身に着けることが必要だとも感じています。これはこの一年を通じて見出した、私自身の今後の課題です。
今回のヨーロッパツアーの最中、様々なメディアの取材を受けました。英語の能と日本語の能の違いについて。今回の新作能を演じるにあたっての心構えや、なぜこの作品に挑戦しようと思ったのか、などなど。特に能そのものについて語るとき、出来るだけニュアンスを違えないようにと言葉を選んで答えましたが、どうも自分でも分かりにくい説明になってしまうのです。もっと明確に伝わる言葉があるはずなのに。
多くを語るのは邪道とされてきた伝統芸能の世界でさえ、偉大な先人は全ての人に伝わる明快な言葉をもっていました。世阿弥や利休の言葉が、今も私たちの心に響くのはなぜか。もちろん偉人に敵うはずなどありませんが、JC活動の場でも仕事に関わる場でも、「伝える」ことを今後第一に考えて、私なりにまた努力していきたいと思っています。
一年で区切りをつけるJCのあり方が素晴らしいのは、その年を終えることが確実に次のスタートになるから。「わ」を以って尊しとなしてきた一年で学んだこと、見えてきた課題をもって、来年皆さんと一緒に私もまたReStartしたいと思います。
私の独り言にお付き合い下さった全ての皆様に改めて感謝申し上げ、最終回を締め括らせて頂きます。本当にありがとうございました!