夏の風物詩「薪能」。先月28日、恒例の福山八幡宮薪能に出演させて頂きました。
今年は火入れ式へも初参列で、しかも松本卓臣様、鈴木康平先輩、豊田国弘先輩といった錚々たるお顔ぶれに交じって、光栄ながら緊張の体験をさせて頂きました。
現代では夏のイベントとして全国各地で催されている薪能ですが、元は興福寺の修二月会の神事に由来しています。修二月会といえばお水取り、真冬の行事だったのですね。その修二月会で使用される薪を迎えるため「薪宴」という芸能神事が行われたのが薪能の起源、と言うわけなのです。
薪能など野外での催しは、観客の皆様に気軽に楽しんで頂けるという良さがありますが、仮設舞台では能楽堂とはまた違った神経を使う、少々演じ難いものでもあるのです。
今は亡き私の祖父が、八幡宮薪能の初回のパンフレットにご挨拶文を寄せていました。24年前のことです。たとえ仮設の舞台、また天候の心配もある催しでも、一切の妥協なく良い舞台を勤め、絶対に成功させなければならない、といった強い決意を述べています。更に、能は単純な型で構成されている曲ほど如何に難しく、その会得のためには一心不乱に稽古を重ねなければならないか、と言うようなことを書いているのです。およそパフレットの挨拶文には似つかわしくない文章なのですが、祖父がどれだけの決意で日々の舞台に臨んでいたかを今更に思い知らされて、厳しく叱咤を受けた気持ちでした。
(社)福山青年会議所の50年の歩みも、先輩方の時代ごとの決意の積み重ねあってのこと。その御功績を思うと改めて敬意と感謝の念に堪えません。私自身も一層気を引きしめて邁進したい、と私なりの決意を新たにしています。2009年度も残り5ヶ月、どうぞよろしくお願い申し上げます!